家の中で最も熱や冷気が出入りする場所は「窓」です。
寒い冬場に暖かい空気が窓から逃げてしまう・暑い夏場に熱が外から入ってくる、そんな悩みを抱えている方は少なくないのではないでしょうか。
このようなお悩みを解決してくれるのが、窓の断熱リフォームです。
「断熱リフォームをしてどんな効果があるの?」と気になる方も多いのではと思います。
そこでこの記事では、窓を断熱リフォームすることによってもたらす効果についてご紹介します。住まいの断熱対策として最も有効な「窓の断熱リフォーム」は一体どれほどの価値があるのか理解するためにも、ぜひ最後までお読みください。
窓を断熱リフォームする4つの効果について
1:熱を逃さない
窓を断熱リフォームすることによって、窓からの熱の出入りを大幅に減らすことができます。家の窓から出入りする熱の割合は、冬は約50%、夏は約70%と高い数値にあります。
そのため、冬場は暖房をつけていても、窓から熱が逃げてしまい室内が冷え込みやすくなります。断熱リフォームを行えば、窓の隙間やガラスを通して外に逃げる熱が抑えられるので、部屋の温度を一定に保つことができ、寒さの厳しい冬場でも快適に過ごすことができます。また、夏場には外からの熱を防ぎ、冷房の効果を高めることができるため、快適な室温を維持しやすくなります。
2:光熱費の節約
断熱リフォームによって窓の断熱性能が向上すると、室内温度が一定に保たれるので、冷暖房機器の使用頻度が減少します。これにより、冷暖房にかかる光熱費を節約することが可能です。特に、古い家屋などは窓からの熱の出入りが多いので、リフォームすると効果が顕著に表れます。断熱リフォームの費用がかかったとしても、リフォーム以降は光熱費が節約できると考えれば、お得といえます。毎月の光熱費の負担を軽減しながら、快適な住環境を維持できるのは大きなメリットですね。
3:結露の低減
断熱リフォームを行うと、窓周りでの結露の発生を抑えることができます。結露は室内と外との温度差が大きい場合に生じる現象で、窓ガラスやサッシに水滴が付き、湿気が溜まりやすくなります。
結露が発生すると、カビやダニの増殖・木材の腐食などを起こし、健康や住宅に被害を受ける可能性があります。断熱性能の高い窓にリフォームすることで、窓表面の温度が外気温に影響されにくくなります。
結露の発生を抑えて、身体にも家にも優しい環境を手に入れましょう。
4:ヒートショックの防止
ヒートショックとは、急激な温度変化によって血圧が急上昇したり、血管が収縮することで心臓や脳に負担をかける現象を指します。特に冬場は、暖かい部屋から冷えた浴室に移動すると、急激な温度変化によって、ヒートショックを起こしやすくなります。断熱リフォームによって窓の性能を高め、家全体の温度を一定に保つことで、部屋間の温度差を減少させ、ヒートショックのリスクを軽減できます。高齢者の方はヒートショックになりやすい傾向にあるので、窓の断熱リフォームを行い、リスクを低減しておきましょう。
窓のリフォームはどんな工法を用いる?
はつり工法
はつり工法は、既存の窓枠を取り除き、新しい窓枠・サッシを取り付けるリフォーム方法です。この工法は、窓枠自体が劣化している場合や、完全に新しいサイズ・デザイン・機能などを持つ窓に交換したい場合に用いられることが多く、窓リフォームの中で最も自由度の高いリフォームになります。しかし、窓周辺の壁材や構造体を壊して設置する大掛かりな作業となるため、工期が長く、費用が高くなりやすいことがデメリットです。
メリット
・自由度が高く、理想の窓を設置できる
・窓枠ごと一新できる
デメリット
・大掛かりな作業のため、費用が高くなる
・工期が長い
カバー工法
カバー工法は、既存の窓枠をそのまま残し、新しい窓を上から取り付けるリフォーム方法です。この工法は、既存の窓枠がまだ使用できる場合に適しています。はつり工法のように壁を壊す必要がないため、施工が簡単で比較的短期間で行えるのが特徴です。また、既存の窓枠を活かすことで工事費用を抑えることができるため、予算を気にする方にも人気があります。カバー工法は、窓の開口部が小さくなるので断熱性を高めることができます。しかし、窓が小さくなること自体がデメリットでもあり、圧迫感を感じるようになる場合もあります。
メリット
・工期が短く、費用も抑えられる
・窓の開口部が小さくなることで、断熱性が高まる
デメリット
・窓の開口部が小さくなることで、圧迫感を感じることがある
・窓枠が劣化している場合は、この工法はできないことがある
内窓設置
内窓設置は、既存の窓の内側にもう一つの窓を設け、二重窓にする工法です。内窓を設置することで、窓と窓の間に空気層ができるので外気の影響を受けにくくなります。断熱性はもちろんのこと、防音効果も非常に高く、外部の騒音を大幅に減らすことができます。
比較的簡単な工法で、既存の窓を取り外す必要がないため、工期が短く、費用も抑えられます。ただし、窓の開閉やお手入れなどが今の2倍になるので、面倒に感じることもあるでしょう。
メリット
・工期が短く、費用も抑えられる
・断熱性と防音性の向上に優れている
デメリット
・窓のお手入れ、開閉作業が2倍になる
・既存の窓の形状によっては、内窓が設置できないことがある
ガラス交換
ガラス交換は、既存の窓枠やサッシはそのまま使用し、窓ガラスだけを交換する工法です。既存のガラスを複層ガラス(二重のガラス)など断熱性能が高いガラスに交換することで、冬は室内の暖かさを保ち、夏は外からの熱を遮断することが可能です。また、ガラスとガラスの間に樹脂中間膜を挟み込んだ防犯ガラスに交換することで、空き巣被害を防ぐ効果も期待できます。ガラス交換も簡単な工法のため、工期が短く費用も抑えられます。しかし、既存のサッシが劣化している場合は、ガラスを交換してもサッシから熱が逃げてしまうので、断熱効果が十分に得られない可能性があります。
メリット
・工期が短く、費用も抑えられる
・断熱性や防犯性を向上させられる
デメリット
・サッシが古いと効果が十分に得られない可能性がある
・はつり工法と比べると、断熱効果は劣る
窓のリフォームは何年で行うのが良い?
窓のリフォームを行うタイミングは、20~30年が目安とされています。
これは、窓枠やサッシ・ガラスの経年劣化が進み、機能性の低下が見られる時期だからです。特に、木製の窓枠やアルミサッシなどは長年使用すると腐食や変形が発生しやすく、気密性や断熱性が低下することがあります。窓枠が変形してしまい立て付けが悪くなると、隙間風が入ってきたり結露が発生しやすくなります。そうなると、カビやダニの発生リスクも高まるため、快適さだけでなく健康にも悪影響を及ぼしてしまいます。
また、現代の窓は断熱性や防音性・防犯性が大幅に向上しており、古い窓よりも性能が優れています。古い窓は、熱の出入りが激しいため冷暖房効率が悪くなりがちです。光熱費の節約にもなるため、目安時期でのリフォームをおすすめします。
まとめ
今回は、窓を断熱リフォームすることによってもたらす効果についてご紹介しました。窓を断熱リフォームすることで、熱の出入りを抑制する効果が得られ、夏は涼しく、冬は暖かい快適な生活を送ることができます。また、断熱性能が向上すると、室内温度が一定に保たれるため冷暖房機の使用を抑えられ、光熱費の節約にも繋がります。そして、カビやダニの発生原因である結露を低減させることもできるので、生活の快適さだけでなく健康面にも期待ができます。
このようにたくさんのメリットがある、窓の断熱リフォームを検討してみてはいかがでしょうか。