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遮熱塗料は効果なし?選び方やメリット・デメリット

遮熱塗料は効果なし?選び方やメリット・デメリット

「遮熱塗料は効果がない」「実際に使ってもあまり変わらない」という話を耳にすることもあります。一方で「夏の暑さが軽減された」「エアコンの使用頻度が減った」といった意見も見られます。

このように評価が分かれる遮熱塗料ですが、実際のところどれほどの効果が期待できるのでしょうか?遮熱塗料の種類は様々なため、選び方一つで効果は大きく変わってきます。

この記事では、遮熱塗料の効果や選び方について詳しく解説していきます。また、遮熱塗料のメリット・デメリットについても紹介していきます。

遮熱塗料を検討している方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

目次

遮熱塗料は効果なしと言われる理由とは?

遮熱塗料は、太陽光を反射して建物内部の温度上昇を抑える効果が期待されています。しかし、一部では「効果がない」との声も聞かれます。その主な理由を以下に5つ挙げ、それぞれ詳しく説明します。

遮熱効果の限界

遮熱塗料の熱反射率は約60~80%程度とされています。この数値では十分な遮熱効果を得られない場合があり、塗装単体での使用では期待通りの効果が得られにくいと考えられています。

そのため、遮熱塗料を施工する際は熱反射率の高い遮熱シートや断熱材と組み合わせて使用されることが一般的です。

塗膜の汚れによる効果低下

遮熱塗料は外壁や屋根に施行されますが、これらの場所は雨風の影響で汚れが付着しやすい環境にさらされています。塗膜の表面に汚れが付着すると、熱を十分に反射できなくなり、遮熱効果が低下してしまいます。

特に、コケや藻などの有機物は塗膜を傷つけるため、遮熱効果を著しく低下させる原因となってしまいます。また、大気中の塵埃や排気ガスなども同様に、遮熱効果を低下させる原因として挙げられます。

性能を維持するためには、定期的な清掃やメンテナンスが必要です。

断熱効果はない

遮熱塗料に断熱効果はありません。遮熱塗料は輻射熱を反射する一方、断熱対策は伝導熱や対流熱を防ぐ効果があります。建物内の熱移動の大部分は輻射熱によるものであるため、遮熱対策が効果的です。ただし、遮熱対策だけでは伝導熱や対流熱まで防ぐことができません。

全ての熱移動を対策するには、遮熱塗料と断熱対策を組み合わせて施工することをおすすめします。

遮熱効果は塗料の種類や耐用年数に依存する

遮熱塗料の効果は、塗料の種類や耐用年数に依存します。

一般的な耐用年数は、アクリル系は3~6年、ウレタン系は8~10年、シリコン系は10~15年、フッ素系は15~20年以上とされています。

耐用年数が長い塗料ほど品質が良く、遮熱効果も高い傾向にあります。そのため、塗料の種類によっては、効果を感じない方もいるかもしれません。

また、耐用年数が短い塗料を使用した場合、短期間で塗り直しが必要となります。

施工の難しさと塗りムラ

遮熱塗料は一般の塗料に比べて、塗装するのが難しい傾向にあります。

この塗料は均一に塗布して初めて十分な効果を発揮するため、塗りムラが発生してしまうと、本来の性能が得られません。

遮熱塗料の施工を依頼する際は、経験の浅い職人では塗りムラが生じやすくなるため、専門知識と確かな技術力を持つ職人が在籍している業者を選ぶことが大切です。

遮熱塗料のメリット・デメリット

遮熱塗料は室内温度の低下や節電に繋がるとされていますが、導入を検討する際には、メリットとデメリットのそれぞれを十分に理解することが重要です。

メリット

1. 室内温度が低下する

遮熱塗料は、太陽光を反射させることで建物の表面温度を下げ、室内温度も下げる効果があります。具体的には遮熱塗料を塗装することで、室内温度が平均で約3℃前後低下するとされています。

2. 電気代の節約になる

室内温度が低下することで、エアコンの使用頻度や設定温度を抑えることができ、電気代を節約することができます。室内温度が1℃下がると、電気代が10%削減できると言われているので、遮熱塗料の効果で室温が2~3℃下がれば、20~30%の電気代の削減が見込めます。

デメリット

1. 初期費用が高い

遮熱塗料は、一般的な塗料と比較して価格が高いです。例えば、シリコン塗料が1平方メートルあたり約2,000円であるのに対し、遮熱塗料は約4,000~5,000円になります。

2. メンテナンス費用がかかる

遮熱塗料の効果を持続させるためには、塗膜の表面を清潔に保つことが重要です。表面が汚れると太陽光の反射率が低下し、遮熱効果が減少します。

そのため、定期的な清掃やメンテナンスが必要となり、手間やコストが発生します。

遮熱塗料の選び方

遮熱塗料を選ぶ際は、以下のポイントを確認しておきましょう。

1. 日射反射率

遮熱塗料の効果は、太陽光をどれだけ反射できるかに大きく依存します。

これを日射反射率と言い、日射反射率が高い塗料を選ぶことで、建物の表面温度の上昇を抑制することが期待できます。一般的に80%以上の日射反射率を持つ遮熱塗料は、効果が高いとされています。

2. 耐久性と品質

遮熱効果は、塗料の品質や耐久性によって大きく差が生じます。

一般的には、アクリル・ウレタン・シリコン・フッ素・無機の順に耐久性が向上します。長期間にわたり遮熱効果を維持したい場合は、品質の良い塗料を選ぶと良いでしょう。

3. JIS規格に適合しているか

日本工業規格(JIS)では、遮熱塗料の性能基準が定められています。JIS規格に適合しており、日射反射率や耐候性が評価されている製品を選ぶことで、信頼性の高い遮熱効果を期待できます。

まとめ

今回は、遮熱塗料の効果や選び方、メリット・デメリットについて解説してきました。

遮熱塗料は「効果がない」と言われる原因として考えられる理由は、以下の通りです。

「遮熱効果に限界がある」「塗膜が汚れると効果が下がる」「断熱効果はない」「遮熱効果は塗料の種類と耐用年数に依存する」「施工が難しい」の5つになります。

遮熱塗料の主なメリットは、室内温度が低下する・電気代の節約になる、です。一方のデメリットは、初期費用が高い・メンテナンス費用がかかる、です。

遮熱塗料を選ぶ際のポイントは、日射反射率が高い製品・品質が良い塗料・JIS規格に適合しているかを確認しましょう。

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