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外壁塗装は見た目を美しくするだけでなく、建物の寿命を延ばして長持ちさせる大切なメンテナンスです。
しかし、「外壁塗装ってどんな作業をするの?」「どれくらいの時間がかかる?」といった具体的なイメージが湧かない方も多いのではないでしょうか?
外壁塗装は、ただ塗料を塗るだけではありません。実は、多くの工程を経て完了する、繊細な作業です。
この記事では、外壁塗装の一般的な手順と必要な日数などについて詳しく解説していきます。最後まで読むことで、工事中のイメージがつかみやすくなるはずです。
外壁塗装を行う前に近隣の方々へ挨拶を行います。これは、工事中の騒音や塗料の匂い、工事車両の出入りなどでご迷惑をおかけするため、事前にお知らせし、ご理解ご協力を得るためです。事前に挨拶を行っておくことでトラブルを防ぎ、円滑な工事進行に繋がります。
塗装業者が挨拶を行うことが多いですが、このサービスがない場合は自分での挨拶となります。工事期間を記載した紙と粗品を持参すると、より丁寧な印象を与えられます。
外壁塗装では高所の作業もありますので、安全性と効率性のために、建物周辺に足場を組みます。足場の設置には半日~1日程度かかり、塗料や洗浄水の飛散を防ぐための飛散防止ネットも同時に取り付けます。このネットは、近隣住宅への飛散を最小限に抑える役割を果たします。
足場の設置には国家資格が必要なため、塗装業者が足場業者に委託することが多いです。
足場を設置し終えたら、外壁に付着した長年の汚れ・カビ・苔・古い塗膜などを高圧洗浄機を使用して洗い落とします。汚れがひどい場合には「バイオ洗浄」という特殊な洗浄剤を使用することもあります。
この高圧洗浄は、塗料の密着性を高めるための非常に大切な工程です。汚れが残ったまま塗装すると、塗料が剥がれやすくなる原因となります。
高圧洗浄後は十分に乾燥させる必要があります。乾燥時間は1日~2日程度ですが、天候によって異なります。
高圧洗浄後、外壁の劣化状態を確認し、ひび割れ・剥がれ・欠損・錆びなどの補修や、コーキングの打ち替えなどを行います。
下地調整とも呼ばれるこの作業が不十分だと、塗装の仕上がりや耐久性に大きく影響するため、丁寧な作業が求められます。
通常1日で終わる工程ですが、劣化症状がひどい外壁の場合は2~3日と補修に時間がかかります。
塗装しない部分(窓・ドア・植栽など)を養生シートやテープで覆い、塗料の飛散による付着を防ぎます。養生が不十分だと、塗料が意図しない場所に付着し、余計な清掃作業が必要になったり、仕上がりの美しさを損ねてしまう可能性があります。
外壁塗装が始まると養生している窓は開けられなくなるので、換気などで開けておきたい窓がある場合は、養生する前に塗装業者に伝えておきましょう。
塗装の第一段階です。下地と中塗り・上塗り塗料の密着性を高める目的と、劣化による塗料の吸い込みを防ぐ目的で下塗り材を塗布します。
下塗り材は、シーラーやプライマーなどと呼ばれ、外壁の素材や状態に合わせて適切なものが選ばれます。
適当に塗り進めているだけでは?と思われるかもしれませんが、下塗り材が均一な厚みになるよう、時間をかけて丁寧に塗布しています。
下塗り後は十分に乾燥させる必要があるため、1日、気温や天候によっては2日程度時間を置いてから、中塗り・上塗りに移ります。
中塗り・上塗りは仕上げの工程で、基本的に同じ色で塗装されます。
中塗りは、塗膜にしっかりと厚みを確保させ、耐久性を高めるために行われます。最終的な仕上げである上塗りは、建物を美しく見せるために、ムラなく丁寧に塗装します。中塗り・上塗り共に、均一に丁寧に塗ることで、美しい仕上がりと長期的な耐久性を確保することができます。
中塗りと上塗りの間にも、下塗り同様に乾燥時間を設ける必要があります。
乾燥時間が必要な理由としては、乾燥させずに塗装を行ってしまうと、施工不良になる可能性が高いからです。
塗装作業が完了したら、完了検査を行います。
仕上がりに問題はないか、ムラや塗り残しがないか、塗料が飛散して汚れていないか、養生の外し忘れはないか、などを詳細に確認していきます。
完了検査は、施工業者と施主の立ち合いのもと行われます。気になる点があれば業者に指摘し、必要であれば手直ししてもらいましょう。
完了検査で問題がなければ、足場の解体に進みます。
足場解体後に周囲の道具の片付けや清掃を行い、工事は完了となります。解体時に、部品が外壁にあたって傷つくことなども考えられるので、慎重に行います。
外壁塗装にかかる日数は、戸建て住宅(30坪 2階建て)で7~10日程度が目安とされています。
前述で紹介した手順で1日1作業とすると、以下の通りになります。
1日目 – 近隣挨拶/足場設置
2日目 – 高圧洗浄
3日目 – 下地処理
4日目 – 養生
5日目 – 下塗り
6日目 – 中塗り
7日目 – 上塗り/完了検査
8日目 – 足場解体/ 完成
ただし、天候や気温の影響は大きく、特に雨や高湿度の日が続くと塗料の乾燥時間が延びてしまい、工期が長引くことがあります。また、外壁塗装と一緒に屋根塗装を行う場合は、3日~5日ほど工期が伸びることが考えられます。
一方で、極端に短い工期を提示する業者には注意が必要です。この場合、塗装後の乾燥時間を十分に確保していないことが考えられます。乾燥時間が短いと塗膜の剥がれや膨張など、さまざまな施工不良が発生する可能性があります。
外壁塗装中は、部屋の窓やドアだけでなく、ベランダの床や手すりなども養生シートで覆われるため、一時的にベランダへの出入りが制限され、洗濯物を干すことができなくなります。塗装作業中は、塗料が飛散して洗濯物を汚してしまうリスクがありますので、業者から洗濯物を干さないように言われることが多いです。
そのため、工事期間中は乾燥機の利用やコインランドリーを活用することをおすすめします。
窓は、塗料の飛散を防ぐために養生されています。そのため、窓の開閉は制限されることが一般的です。特に、塗装作業中は塗料の匂いもするため、窓を閉め切るように提案されるでしょう。どうしても換気のために開けたい窓がある場合は、開閉できるように対応してもらえるので、事前に伝えておきましょう。
エアコンの室外機も養生されますが、通気性が確保されたメッシュのカバーを用意している業者も存在します。この場合は、エアコンを使用することが可能です。
今回は、外壁塗装の手順や必要な日数などについて解説してきました。
外壁塗装の手順は、まず近隣への挨拶から始まり、「足場の設置」「高圧洗浄」「下地処理」「養生」「下塗り」「中塗り・上塗り」「完了検査」を経て、足場の解体&完成に至ります。
外壁塗装にかかる日数は、30坪の2階戸建ての場合で、7~10日程度が目安とされています。ただし、雨や湿度が高い日などは、塗装後の乾燥時間が長くなり、工期が伸びることが考えられます。極端に短い工期を提示する業者は怪しいので避けましょう。
工事期間中は洗濯物が干せない、窓が開閉できないなど生活に影響が出るため、事前に業者と相談しておきましょう。