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「スレート屋根の塗装は必要ない」そんな言葉を耳にしたことはありませんか?
新築時やリフォーム時に用いられることが多いスレート屋根は、耐久性&コストパフォーマンスの高さから、日本の住宅の屋根材として最も普及しています。
そんなスレート屋根は塗装する必要があるのでしょうか?また、スレート屋根は何年くらい持つものなのでしょうか?
この記事では、スレート屋根の塗装は本当に必要ないのか?また、塗装が必要ないと言われる理由や耐用年数について詳しく解説していきます。
最後まで読むことで、スレート屋根についてより深く理解できるはずです。
結論から言うと、スレート屋根の塗装は必要ありません。
スレート屋根の塗装は必要ないとされる理由は、塗装の効果が屋根材に影響を与えないためです。スレート屋根に塗装を施しても、耐久性や防水性が向上する訳ではないため、「屋根の色を変えたい」「屋根をきれいにしたい」という美観目的であれば、スレート屋根でも塗装をして良いと思いますが、メンテナンスを目的としての塗装は必要ありません。
特に、劣化が進んだスレート屋根の場合、塗装による保護効果がほとんど期待できないため、酷いひび割れや欠けなどの損傷に対しては、塗装ではなく別の修繕方法が必要になります。また、一部のスレート屋根材は塗装を行うことで、逆に屋根を傷めるリスクが高まることもあります。
そのため、屋根のメンテナンス目的で改善を考える際は、葺き替えやカバー工法といった、塗装以外の方法が推奨されることも多いです。
続いては、スレート屋根の塗装が必要ないと言われる理由を、5つに分けて詳細にご説明します。
スレート屋根が塗装を必要としない理由の一つは、スレート屋根材そのものが十分な耐久性を持っているためです。
スレート屋根はセメントを主成分としており、その特性から雨風や紫外線に対する耐久性が高いとされています。そのため、適切な間隔でメンテナンスを行うだけで性能を十分に維持することができます。
このことからスレート屋根は、定期的なメンテナンスを行うことで、耐久性が損なわれにくいため、塗装を施す必要がないと言われています。
スレート屋根の塗装が不要とされるもう一つの理由は、スレート屋根への塗装が屋根材の耐久性を向上させたり、寿命を延ばす明確な効果が立証されていないことです。
一般的に塗装は、耐久性や耐候性、防水性の向上を目的としますが、スレート屋根の場合は、屋根に含まれる成分によってそれらの機能がある程度備わっています。そのため、塗装を行っても屋根の基本性能が向上するわけではありません。さらに一部の調査では、スレート屋根に塗装を施しても、経年劣化やひび割れを防ぐ効果は、大幅に改善されなかったことが示されています。
スレート屋根製造メーカーであるKmew(ケイミュー)は、塗装を屋根材のメンテナンス目的ではなく美観維持を目的としていると明示しています。
スレート屋根は経年劣化とともに色褪せや苔の発生が見られることがありますが、これらは屋根の性能そのものに直接的な影響を与えるものではありません。メーカーは美観維持を目的とする場合は塗装を提案していますが、メンテナンスの目的からは提案していません。また、誤った塗装は雨漏りを引き起こす原因になるとまで書かれているため、塗装はあくまで美観対策であることを裏付けています。
一部のスレート屋根材は、塗装に適さないとされています。
特に、1996年から2008年までに製造されたスレート屋根材(パミール)は非常に脆く、塗装を施してしまうと、雨漏りや塗膜の剥がれが起きるリスクが高いとされています。
パミールは、アスベストの使用が禁止された時期に開発され、健康への配慮がなされたノンアスベスト屋根材として注目されました。しかし、施工から10年でボロボロになるなど、耐久性の面で大きな問題があり、現在は製造中止となっています。
このスレート屋根材を使用している場合は、塗装以前に高圧洗浄で割れてしまうこともあるので、カバー工法や葺き替えが推奨されます。
スレート屋根は、わずかな隙間が生まれるように設計されており、雨水が内部に一時的に入り込んでから排水される構造となっています。
このような設計は、屋根全体から排水しやすくするためであり、ルーフィングと呼ばれる防水シートなどの二次防水層が効果を発揮します。
そのため、スレート表面に塗装を施しても、雨漏りを防ぐ防水性能が向上することはなく、無駄な塗装になってしまいます。
むしろ、塗装によって屋根材の隙間が塞がれると、通気性が損なわれ屋根裏に湿気が溜まる原因となる可能性もあります。
これらの理由から、スレート屋根には塗装が必要ないと言われています。
スレート屋根の耐用年数は、一般的に20~30年とされています。
ただし、実際の寿命は使用されているスレート屋根材や設置環境によって異なります。一般的なスレート屋根は「化粧スレート」と呼ばれるセメントと繊維を混ぜて作られたものです。この屋根材の場合は、適切な間隔でメンテナンスを行えば、30年以上使い続けられることもあります。メンテナンスの頻度としては、10年に一度のペースです。
スレート屋根は耐久性が高く、価格が比較的安価であることが魅力ですが、時間が経つとともに劣化症状は現れはじめます。この劣化は、表面の色褪せや苔の発生から始まり、放置するとひび割れや反りに発展することがあります。しかし、これらの劣化症状が見られるからといって、必ずしも塗装が必要になるわけではありません。
スレート屋根が劣化してきた場合、耐用年数を過ぎたものであれば塗装よりも、葺き替えやカバー工法をおすすめします。
今回は、スレート屋根の塗装の必要性について解説してきました。
結論として、スレート屋根は塗装を施す必要はありません。
スレート屋根はセメントを主成分とするため、そもそも耐久性が高く、定期的なメンテナンスを行うだけで問題ありません。また、塗装によって屋根材の耐久性や防水性が向上する確証は無く、美観維持を目的とする場合に塗装されます。
特に、パミールのスレート屋根材は、塗装するとかえって屋根を傷める可能性もあります。
スレート屋根の寿命は、20~30年程度です。耐用年数を過ぎて劣化が見られる場合は、塗装よりも葺き替えやカバー工法をおすすめします。